能州
ここは能州、七尾のみなと
出船入船、数ある中で
陸で目出度い、上米積んで
みさき浦へと、はせ出し廻る |
大阪の川
どんとはせ込む、大阪の川へ
いかり下ろして、とも綱とりて
伝馬下ろして、十九を乗せて
乗せてあげましょう、呉服屋までも |
那須の与一
那須の与一を、御前に呼ばせ
呼ばせたまいし、所はいずこ
四国讃岐の、屋島が磯で
源氏平家の、御戦いに |
新造目出度
新造目出度や、いや帆を上げて
思うた港へ、それそよそよと
船頭水夫まで、手を打ち上げて
船玉無事を、祝い喜ぶ |
五月
五月時やら、下女半下まで
茜だすきに赤前垂れに
早苗植えつつ、豊年うたい
並ぶ早乙女、連なる姿
秋の穂波は、今より見ゆる |
新茶出花
家内は残らず、前田を植えて
家にゃお嫁はんが茶をたててござる
新茶出花を、もらうとすれば
新茶出花は、まだ薄うござる
しばしまたんせ、濃い茶が出ます |
石童丸
あわれなるかや、石童丸は
父を尋ねて、高野の山を
九百九十九の、御寺々を
尋ね探せど、行き方知らず
母はふもとの、こそめが茶屋で
涙こらえて、茶をくむ姿 |
宇治は茶所
宇治は茶所、茶は縁所
娘やりたや、ありゃ婿ほしや
新造下ろして
新造下ろして、沖眺むれば
共に大黒、表にゃ恵比寿 |
数え唄
一にゃ 越後の、大日如来
二にゃ 新潟の、白山様よ
三にゃ 讃岐の、金毘羅様よ
四にゃ 信濃の、善光寺様よ
五つぁ 出雲の、色神様よ
六にゃ 村々、鎮守様よ
七つぁ 七尾の、山王様よ
八にゃ 八幡の、八幡様よ
九つぁ 高野の、弘法大師
十にゃ 所の、氏神様よ |
商いしもうて
今日は嬉や、商いしもうて
遊びましょうか、慰めましょうか
ぶらりしゃらりと、新町口へ
あまた廓の、見に行く女郎は
綾で迷わん、錦で惚れん
小判四十両に、我しゃ身は捨てん
連れて行かんせ、長崎までも
( 五日の午後のみに唄う )
他にも数々の木遣りがあります。 |